サイディングの傷みと症状の対処方法
現在建てられている一戸建て住宅で、最もよく使われている外壁材といえば?
ダントツのNo1は”サイディング” です。
外壁について特に知識がない方でも、サイディングというワードは耳にしたことがあるのではないでしょうか?
サイディングとはそれほどメジャーな外壁材で、全体に占めるシェアは約8~9割にも及びます。
うーん…サイディング?知らないな~? と思った方も、実は毎日のように目にしているはずですよ。
きっかけはさまざまですが、そろそろと再塗装かな?と思った時に浮かんでくるのが
『そういえば自宅の外壁のことを何も知らない!どうしたらいい?』
という不安ではないでしょうか。
自分にとってよく分からない内容、それなのに大金がかかる。
心配になって大いに迷うのも当然かと思います。
安心してマイホームのメンテナンスに臨むにはどうすればいいのでしょうか?
サイディング外壁に起こりやすい、5つの症状と対処法についてお伝えしようと思います。
1.コーキング(シーリング)の劣化
サイディングはパネルの間のジョイント部分。
シーリング材で埋めて防水してある箇所をコーキングと言います。
シーリングとも言いますが、意味合いは同じです。
技術の進歩によってサイディングの寿命は大きく延びていますが、残念ながらコーキングの寿命は約7~10年でしょうか。
どうしてもサイディングより早く経年劣化してしまいます。
築10年くらいを目安に、早ければ5年ほどでシーリング材が縮んで痩せてきます。ひび割れや浮き、剥がれなども見られるようになり、防水機能が低下します。
傷んだコーキングを長年放置すると、徐々に雨水が染み込んでいきます。
水分がサイディングの裏に回り、家の躯体までダメージを受けてしまうリスクが高まるのです。
このような理由から、たとえサイディングの耐用年数が非常に長くても、コーキングのメンテナンスは欠かすことができません。
サイディングの状態に応じて
コーキングのみメンテナンスする
サイディングの塗装とコーキングを併せて施工する
このいずれかを、お客様と相談しながら決めていきます。
<対処法>
コーキングの施工には “打ち替え” と “増し打ち” があります。
“打ち替え” は古いシーリングを撤去して新しいシーリングを注入する方法。
“増し打ち” は古いシーリングの上から、新しいシーリング材を充填する方法です。
コーキングの状態やサイディングの厚み、施工箇所などを考慮し、適した方を選択します。
基本的に、サイディングの目地部分は打ち替えが望ましいですね。
2.色褪せとチョーキング
気がついたら失われていた、サイディングの美しい艶や色合い。長年洗いざらした洋服を思わせる古びた外壁。
新築時のあの輝きはどこへ?
マイホームに流れた歳月を振り返り、一抹の寂しさを感じます。
手で触れると、チョークのような粉が付着してくることもあります。チョーキング(白亜化現象)という状態です。
経年によって塗膜が風化し、塗料に含まれていた顔料が干からびてむき出しになっているのです。
洗浄して粉を落としたとしても、乾燥すれば再び粉を吹きます。
サイディングの色褪せやチョーキングが起こるのは、紫外線が最大の原因です。
しかし一概に何年ぐらいで…というものではありません。サイディングのグレードや環境的な条件によって発生の時期は異なります。
同じ環境下ならば、高級なサイディングボードほど色褪せしにくく、持ちが良いかと思います。
色褪せの防止を重視するなら、新築時に光触媒加工や無機コーティング加工のサイディングを選ぶと効果的ですが、将来的にはその上から再塗装すると塗料が密着せず剥がれるケースもあります。
光触媒加工や無機コーティング加工のサイディングを塗装する際には、プロの慎重な見極めが必要です。
<対処法>
チョーキングの対処法としては、高圧洗浄をしてサイディングの表面を綺麗にし、再塗装を行う必要があります。
チョーキングは再塗装のサインとも言われます。塗膜の風化が進行し、防水機能が低下しつつある状態です。
チョーキングしているからといって、すぐにでも塗装を!とまで焦る必要はありませんが、サイディングからの黄色信号と考えて、メンテナンスを検討されると良いですね。
色褪せはつい美観的な視点のみで見てしまいがちです。
多少の見かけを我慢すれば…と思われるかもしれませんが、塗装には機能面でも重要な役割があることをお忘れなく。
サイディングボード自体に防水性はなく、表面の塗膜で雨水から守られているので、塗膜が剥がれると水分を吸収し始め、苔やカビ、腐食の発生につながります。
適切な再塗装が、外壁はもちろん、マイホームの寿命を末長く保つ秘訣です。
3.サイディングボードの反り
時々ですが、サイディングボードが反り、浮いた状態になっているお宅も見られます。
その原因はというと、大きく分けて2つ考えられます。
●ヒューマンエラー
釘の打ち忘れや金具の飛び出し。または下地が存在しない(釘がきかない)など、新築時の施工の甘さによる不具合です。
●経年変化
雨風によって少しずつ水分を吸収したサイディングが、形状の変化を起こすケースです。サイディングの製造過程や材料によって、反りやすい製品があります。
<対処法>
釘の飛び出しなどの単純な原因なら、不具合の修正により改善しますが、経年変化による反りの対応はサイディングの交換になります。
しかし、サイディングのデザインは新商品が多い一方で廃盤化も早く、新築時と同じサイディングを入手することは困難かと思います。
一部の反りを直すためにサイディングを全て張り替えるとなると、費用的にも大きな工事となってしまうでしょう。
かといって、ビスなどで強く矯正をかけると割れる可能性もあります。
無理に修正しない方が良いと判断した時は、お客様と相談の上でそのまま様子を見るケースもあります。
4.クラック(ひび割れ)
サイディングに小さな、時には大きなひび割れが生じることもあります。
原因のひとつは、新築時の施工に起因するものです。
釘を打ち込んだ時に微細なヒビが入り、年月とともに広がってくることがあります。
もうひとつは、建物の横ゆれです。
大きな地震などで一気に割れるだけでなく、小さな地震の繰り返しも影響します。
大型車の交通量の多い道路沿いなどですと、日々の振動の積み重ねがクラックにつながる可能性もあります。
放置すると雨水の染み込みによる構造へのダメージや、雨漏りの原因にもなりかねませんから、気がついたら早めの補修をオススメします。
<対処法>
(1)クラックをしっかりと洗浄、プライマーを塗布します。
(2)コーキング材を打ち込んで完全に埋めます。
応急処置としてDIYで処置する方もおられますが、コーキングのみでは劣化が早いため不安が残ります。
コーキング補修の上から塗装を重ね、塗膜でガードしておくとベターですね。
5.爆裂や凍害
ご覧のように、サイディングがボロボロに割れた状態を”爆裂”と表現します。
ぱっと見にも激しい傷み具合が感じられ、築年数はさほどでなくとも古家のような印象を受けます。
この現象は寒冷地だと”凍害”と呼ばれます。
外側に付着した雨水や内側の水分が凍結と融解を繰り返すうちに、収縮と膨張の力でサイディングを破壊するのです。
それでは比較的温暖な地域では心配ないのか?というと、そうとも言えません。
たとえば大阪でも、たまに爆裂したサイディングを見かけます。
サイディングの裏に雨水が回ったり結露が発生したりなどの条件によっては、凍害と同様の状態が起こることがあるのです。
<対処法>
爆裂したサイディングの応急処置としては、パテで埋めることもできます。しかし、早期に再発する可能性が高いです。
…となると、ベストな対応は張り替えですが、新築時と同じデザインのサイディングが手に入らない可能性があり、迷うところです。
家全体の張り替えを行う、部分的に張り替えてデザインのアクセントにするなど、状況に応じてお客様と相談しながら決めていきます。
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